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動いている庭 ジル・クレマン 20160613

イメージ (2)1991年に初版が刊行されたというGilles Clement のLe Jardin en Mouvement(動いている庭)。先日、Socal Art Lab.の芸術家であるJames Jack先生から紹介いただいた。1年性、2年性の草本を活かした「庭」づくり。それは、地域に増加する耕作放棄地などの荒地を対象とし、自然の営みを活かした修景、庭園、芸術活動です。荒地に分布する種群を丁寧に観察しながら、園路や草地の草刈り、立地に応じた播種など、ここで紹介されている庭づくりは、フランス式庭園とは大きく異なる考え方でした。
 緑地保全学研究室では、現在、クリ園の林床植物調査や、耕作放棄地の調査を開始しつつあります。それは、これらの地域のネガティブな社会状況に対し、地域の管理手法を尊重しながら、新たな景観づくりの手法開発、概念提示、景観の創出を行いたいからです。JJは「土の変化を大切にしている」と言われていました。私たちの取組みとの概念の共通性を感じていただいたのだと思います。
 私の感じる課題は、庭には目的があります。このような庭について、地域でどのような目的が設定できるのか、考えて行きたいと思います。

「絆の環境設計」刊行 20140331

表紙イメージ写真400_400この度、芸術工学研究院 環境デザイン部門の教員を中心に下記の本を刊行しました。編著は、環境設計学科長の土居 義岳先生で、2012年度に行った公開講座の内容を2013年度に編集し、今回、出版にいたりました。

「絆の環境設計 21世紀のニューマニズムをもとめて」
 
  第一部 アクティビティを共有すること
      バングラデシュの共同水源      谷 正和
      建築ワークショップ         田上 健一
      建築への、人への想像力としての絆  鵜飼 哲矢

  第二部 芸術はいかに近代社会における絆であるか
      矛盾の共生としてのモニュメント   土居 義岳
      19世紀ドイツにおける音楽      山内 泰
      「絆」をこえる絆の可能性      古賀 徹

  第三部 ともに自然に向かいあうこと
      災害時にみる自然と地域の絆     朝廣 和夫
      地域におけるバイオマスの利活用   近藤 加代子

  第四部 文化財をいかに共有するか
      教会建築の営繕をめぐって      福島 綾子
      近世の天皇と町のつながり      岸 康子
      文化財をめぐる町の吟矜持      藤原 恵洋

環境設計学科、1970年代に九州芸術工科大学の中に生まれた、環境デザインの教育機関は、当時、工場からの汚染や、技術至上主義的な近代プロダクトに対する人間性の回復、人のためのデザインが模索された時代でした。それから、44年を経て、環境デザインは、建築や都市計画、地域計画、ランドスケープデザインの枠組みを超えて、さらに広がりつつあります。それは、昨今の災害や、グローバル化、少子高齢化の中で、常に絆や関係の構築が求められているからかもしれません。それは、一方で、さらなる各分野の深化と分野間の連携が求められているともいえます。本書は、現在、環境デザイン教育に携わる教員が、それぞれの視点で書き下ろしたものです。環境デザインの今を垣間見る一冊としてごらんいただければ幸いです。(朝廣)

デザイン教育のススメ

表紙2012年3月に九州大学 大学院芸術工学研究院の著作で花書院より、「デザイン教育のススメ ~体験・実践型コミュニケーションに学ぶ~」を出版しました。これは、本学の教育の質向上支援プログラム(Enhanced Education Program 通称EEP)の事業報告としての位置づけで、主にデザイン教育の事例集です。

私は、この芸工EEPのプログラム代表を担いました。「デザイン教育がさらに貢献できるのではないだろうか?」平成20年に文部科学省中央教育審議会が答申した「学士課程教育の構築に向けて」では、生活スキルの向上が求められました。実は、私達の実施しているデザイン教育は、文化社会の知識にとどまらず、コミュニケーションや課題解決、チームワークや倫理観、総合的な学習経験と創造的思考力を育んでいるのです。

一方で、私達の課題も感じてきました。九州芸術工科大学の小池新二初代学長は「discipline相互のintegrationの成功の可否が、大学レベルに登場したデザイン教育のkey pointである」と述べている。しかしながら、私達は同僚の行う教育の中身にさえ不案内であり、そのような相互連携を生み出すためには、まず、お互いの教育内容を知ることから始めるしかない。本書は、研究を軸に進められる大学改革の中で、特にデザイナーを養成する役割を担う芸術工学のデザイン教育の今後のあり方を問うものである。ぜひ、ご購入下さい。
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低炭素都市ソリューションメニュー

財団法人エンジニアリング振興協会「低炭素都市を実現するための16の提案」として「低炭素都市ソリューションメニュー」を公開されました。グリーンアーバニズムに関連しそうな項目立てで、
・交通・都市構造分野
・エネルギー分野
・みどり分野
の3分野で整理されています。主に、コンパクトシティを支える技術であり、その他、農山村との炭素循環なども視野に入れられています。

みどり分野に関しては
・蛍・蝶・メダカ・蛙の鬱蒼路
・期間建築(リサイクル建築)
・バイオコミュニティネット
・グリーンフィンガーズモデル

とされており、小さな生き物から、住宅スケール、都市スケールでのバイオ循環やストックをベースとした考え方といえるでしょう。今後、緑の活動を考えるとき、これらの技術セクターとの多面的な連携も、大切になるようです。参考になると思います。

英国のOak disease(20100429)

BBCでOak diseaseが広がっているというニュースがありました。国を超えた物流や温暖化などの影響かもしれません。日本でもナラ枯れ病がありますが、大きな問題です。(Asahiro)

ヤナギを用いた短期萌芽更新施業

今日は、環境・遺産デザインコースの自然・森林遺産論の科目で、下記の英国のフォレストリ・コミッションが出版している報告書の輪読を行いました。

Ian Tubby, Alan Armstrong, Establishment and Management of Short Rotaion Coppice,2002, Forestry Commission.

この報告は、ヤナギとポプラの2~3年の萌芽更新施業による、エネルギー減として生産体系に関する内容でした。もともと、英国でヤナギは、”かご”などを作る手工芸の材料として伝統的に用いられており、水気に強く成長も旺盛なことから、河川沿いなどにも植えられています。

20091118150410.jpg


写真は"Bore Place"という、かつて13世紀ごろからBore家により所領されてきた土地で、現在は"Commonwok Land Trust"により、持続的な社会を目指した様々な営利・非営利活動が行われています。これは、ヤナギの切り株から伸びた徒長枝です。Green Wood Workshopを主宰するジョンは、このヤナギの材料を用い、様々なクラフトを製作されていました。20091118145925.jpg

この写真は、2004年にBTCVのTree Wardenの講座の際に撮影した写真です。雑木林管理の講座は大人気のようでした。

私も、昨年、庭にヤナギを植えました。息子とヤナギで何か作れると良いな~と考えてのことですが、薪ストーブの燃料にするのも悪くなさそうです。福岡では大濠公園の周辺にヤナギの美しい並木があります。街路樹としての利用が一般的ですが、昨今、自然河川工法の材料としても見直されており、さらには、身近なバイオマスとして、工芸材料として活用する視点も望まれると思います。

温暖化の流れ

うちにはテレビがないので、情報は新聞やネットで垣間見る程度でしかありません。サミットが行われたせいか、ここそこに温暖化の情報に触れる機会が多くなったような気がします。

その中で、目についた記事が3つほどありました。

1つは、西日本新聞(2008.7.21,p15)社会時評に高村薫氏が掲載された「温暖化防止に及び腰だったサミット  「人類」と無縁な国家・企業」です。要点は下記です。

  • 逼迫する食糧需給と原油価格高騰に議論が終始し、2050年までに温室効果ガスを50%を削減するという数値設定は新興国の強い反対により盛り込まれなかった。
  • 温暖化の危機は、未だ理念にとどまっており、利益を犠牲にしてまで国家・企業は動かない、そのような経済活動はありえない。
  • 各国はCO2削減のため原発増設に走り出し、一方、石炭火力発電所を多く抱える国内は、電力会社の利益確保のため自然エネルギーが普及しない一因だと指摘される。
  • 経済、資源、軍事を譲れない各国が温暖化対策に踏み出すのは、余程事態が悪化してからであり、その頃は、戦争に明け暮れ、環境問題どころでではないかもしれない。

最後に高村氏は「国家や企業は、もともと人類といった理念とは無縁のものである。利害を離れて、人類の未来という発想ができるのは私達個人の理性だけなのだが、ならば個人が国と市場に一定の歯止めをかけるほかない。」と書かれていました。市民活動による世論の形成なくして、何も社会は変わらない、そんな事を思いました。

2つ目は、Mainichi Weeklyにペオさんがスウェーデンの環境の取り組みを紹介されていました。原本をどこかに紛失してしまい引用先を記載できないのですが、とにかくかの国では、「地中の資源は使わない、地上の資源を利用しよう。」とされているそうです。これ、わかりやすくないですか? 自然界では莫大な量のエネルギーが動いている。エネルギーを使うのが悪いのではなく、地下資源から生成したエネルギーを利用するのが悪いというのです。省エネが強化される日本ですが、消費者がこのような発想をしなければ、国家と電力会社は、変わりそうにありませんね。

最後に、一昨日の英字新聞に、石油の生産実態について記事がありました。近年の石油価格の高騰は投機的な要因もあるけれども、実際は、石油消費量の増加率に対し、生産の増加率が追い付いていない。さらに、低価格で採取できる油田のほとんどは、イラクを除きピークを過ぎており、今後、新たな油田や採掘技術を開発したとしても、コストがかさみ、かつ、油糧も限られるということでした。生産性を高めるために、アメリカは、アラスカの自然保護区の開発規制を、最近、解除してしまいました。

「低炭素社会」というメッセージが発せられる昨今ですが、石油市場は、温暖化に対してだけでなく、政治、経済、社会に対して厳しい状況が続きます。Wise Use(ワイズユース)という言葉を最近、時々思い出します。湿地保全でよく使用される言葉ですが、身近な地域資源の循環利用、地上で生産されるエネルギーの利活用が、持続的な生活や地域社会に、今後、ますます必要になると感じる今日この頃です。

北極の氷が2013年までに融けるかもしれない

イギリスのBBCニュースで、地球温暖化関連の記事をみています。

時々、びっくりするようなニュースが掲載されるのですが、今日は北極です。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、北極海を覆う氷が無くなるのが2040-2050年と予測していますが、下記の12日付のBBCニュースでは、2013年という研究報告が掲載されていました。

Arctic summers ice-free ’by 2013’

あと、5-6年で、気づいたら突然北極の氷が無くなっているという予想です。

森林(もり)づくり活動についてのアンケート

5月11日付で林野庁から、下記のアンケート結果がプレスリリースされています。

森林(もり)づくり活動についてのアンケート集計結果について

おもしろい結果が出ています。ざっくりみてみますと・・・

・森づくり活動団体は確実に増えている(1863団体)

・年齢層は50歳以上が80%、都市居住者が65%

 → 年齢層は、やはり原体験のある高い年齢層、都市居住者が中心。

・退職者25%、会社員22%、自営業者13%

 → けっこう、働いている方が多いんですね~

・里山林等身近な森林の整備・保全 67%

 → 里地・里山が主なフィールドとして活用されています。

・活動頻度、4~11日/年 27%

・下刈り 54%、植え付け木はコナラ41%

・ネットワークへの参加率65%、県のネット48%

 → なんと、県のネットへの参加が48%。 福岡県は・・・

・市町村の森での活動39%、個人35%

・課題、資金確保61%、参加者確保55%、安全確保28%。

・けが人375名、手工具(鎌、鉈等)41%、ハチ、ヘビ33%

  転倒、滑落 28%

 → ハチ、ヘビによる怪我が増加傾向にあるようです。

・傷害保険への加入率 82%

・リーダー養成への参加率 56%

・チェーンソーを利用した活動 64%

 → 機械類を使用したボランティア活動が64%を占めています。

  ボランティア活動であっても機械を使用するというのは日本の特徴です。

今後のネットワークや、リーダー講座の在り方、参加者確保の在り方の参考になると思います。ただし、本結果には書かれておりませんが、関東・関西のボランティア団体が主回答者と想定され、九州の活動との差も感じられるような気がします。皆様は、いかがでしょうか?

合宿型ボランティア活動による青年の自立

(社)全国青少年教育施設協議会の『青年の家の現状と課題』第35集に以下の原稿を掲載頂きました。

朝廣和夫, 合宿型ボランティア活動による青年の自立, 体験活動を通した青少年の自立(?), 青少年の家の現状と課題第35集, (社)全国青少年教育施設協議会, 2007.3, p1-8.

WEB用にレイアウトしなおしたPDFファイルがこちらからダウンロードできます

この小論は、合宿型ボランティア活動による青年の自立、各地での環境保全の展開を行うにあたって、その課題は、第一にプロのリーダー育成であるという点について主張しました。ボランティア活動にリピーターとして継続している方々が、さらなる技能を身につけてリーダーとして自立することで、活動の機動性を高め、各地での活動展開とリピーターの増加につなげることができると考えるからです。

また、そのような地域資源保全と人材育成活動を両輪で回してゆくには、地域(市民力)、NGO(調整力)、企業(資金力)、行政(政策力)の連携が必要で、活動への人材と資金の集約強化が望まれるとまとめました。

ご意見・ご感想等お寄せいいただければ幸いです。